有限会社ONE.OFF.PRO 様

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  • 北海道
  • # とりあえずHPアワード2018 受賞作品

〈2018年度 大賞・グランプリ〉愛犬が生涯を通じ教えてくれた物

受賞作品

私の仕事は障害をもった動物の介護、介助用品を製作する会社です。
主に車椅子や立てなくなった動物の体を支える立位保持器具の設計、製作、販売をしております。
事の発端は今は亡き愛犬が12年前に椎間板ヘルニアを発症し立てなくなった事から始まります。
私はその頃、細かい精密機械部品の製造に携わっており、立てなくなった愛犬を可哀想で不憫に思いっていた所、あるお客様が私に「手先器用だし簡単につくれるのでは?」と言われたのが始まりでした。


そこで車椅子の設計、製造し一台目の車椅子が完成しました。
愛犬を乗せましたがその場から動こうとはしません。
予想はしていましたが残念でした。
時に人間の編み出した理論が動物には通じない事を感じた瞬間でもありました。
そこから愛犬と私の車椅子製作の戦いが始まったのです。


まずは焦らず一つずつ改良開始!
フレームは材料を軽い物にし、胴体を固定する素材を布やデニムなどを使い地肌の擦れなどを防ぐハーネス製作、悪路にも負けないタイヤ、サスペンションなど幾度と無く、愛犬と共に製作を繰り返してしてきました。
試作の車椅子も67台目。
私は今まで培った技術を全て出し切り流石に疲れ、これで愛犬が乗らなければ市販で販売されている車椅子を購入しようと決めておりました。
私は出来立ての車椅子に愛犬を乗せ、固定器具を装着し、後ろ足の高さ調整をし、愛犬を歩道に置き、愛犬の名を呼びました。


愛犬は遠巻きに私を見つめるだけ。
私は今回も失敗かと思い、路上で悔しく絶望感でいっぱいになり、愛犬に「ごめんなぁ~」って叫びました。
自分の愛犬と共に考え尽された車椅子は散々な結果、しかも散歩させてやる事も出来ない!
自分の技術力の無さを責めました。
しばらくすると、路上で涙している私の耳元から、車輪の回る音が聞こえ、私は顔を上げると、こちらに向かって一心不乱に走る愛犬がいる!
彼は前足だけで力強く地面を蹴り、私の両手に飛び込んできました。


(パパ、僕やったよ!走れたよ)


と言う感じで耳をペッタンコにし、頑張りをアピールしてました。
私は何度もナデナデをしてあげ、「やった~!ありがとう~!」と車椅子と愛犬を天高く持ち上げました。
体中の震えと生まれて初めての経験した事がない感動を今でもハッキリと覚えております。
その感動を踏まえ、色々な車椅子のアイデアをかたちにして製作しております。


私の会社には、色々な障害を持ちお困りになって、ご相談に訪れるお客様が殆どです。
車椅子や立位保持器具に関しましては、その動物に合わせ、お客様と対話をしながら製作します。
また納品後しばらくご使用していただき、不具合が起こった時などは、直ぐ回収し改善改良作業も心がけております。
ご購入していただいたお客様と動物は、一生のお付き合いと考えていますので、連絡を絶やす事はございません。
今では不慮の事故などで、止む無く義足を使用しなければならない動物達の為に、自己流ではありますが研究をめ、設計、製造、販売も始めました。
今は亡き私の愛犬は、沢山の障害をもった動物達に勇気や希望を与えております。
そして私は、一生この仕事に携わり、困っている飼い主様、動物達と共に、障害や老いに対応出来る商品展開を挑戦し続け、また諦めず思いは必ず形に出来ると感じております。


(本日は今は亡き愛犬の誕生日12/19。この文章を彼に捧げます。

スタッフコメント

高木さんの今の仕事は、何かに導かれてここに至った、という印象を受けました。愛犬が導いてくれたのかもしれないですね。その愛犬のための車椅子の試作が67台。気の遠くなるような回数です。けれど、高木さんにとって、この道には、成功も失敗もなくて、ただ愛犬が喜ぶためなら何度であろうとやり直す、というだけのことだったのでしょう。私は思うのですが、本気の人は、「思い」の前に、いつも「商品」のことを語ります。愛情を顧客とつなぐのは商品ですから、それは当然のことかもしれません。そんな高木さんの本気さに、心を打たれました。我が家にも2匹の猫がいて、それはもう家族なのです。高木さんの仕事は、多くの動物たちの、生涯のそれぞれの時期をトータルでサポートするものへと、発展していくのだろうと思います。(審査員:波多野 卓司)


高木さんの愛犬が椎間板ヘルニアを発症して立てなくなった、という状況になったところから、「動物用の車椅子」の制作がスタート。ご自身の体験から独自の製品ができ上がるとは、事業の理想的な始まりではないでしょうか。ニッチな市場ではありますが、切望している飼い主の方はたくさんおられることでしょう。ぜひ、「動物用車椅子」でナンバーワンを目指していただきたいと思います。また、エッセイとして非常に物語性があり、起承転結がしっかりしており、クオリティが高かったことも評価のポイントとなりました。(審査員:守山 菜穂子)

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