細井輪店 様
- 埼玉県
- # とりあえずHPアワード2017 受賞作品
〈2017年度 準グランプリ ハッピーエピソード賞〉心と心を繋ぐホームページ
受賞作品
私は、埼玉県で自転車屋をやっています。以前は、違う職種で働いておりましたが、30歳を機に家業で父が経営しているお店に入ることになりました。
私がお店に入った当初は店舗周辺のお得意様が中心でした。自転車屋さんの儲けは、大きく分けて販売と修理です。利益を上げるには、当店での販売数を増やし、それに伴う修理を増やすことです。一度お買い上げ頂くと、2台目、3台目とリピートしてくれるお客様は多く、お店のアフターサービスには自信を持っておりました。お店に入って1年、技術や経営手法を学んでおりましたが、まだまだアイドルタイムが多く試行錯誤の毎日でした。そこで“とにかく新規のお客様を増やす”を大きな目標とし、チラシ作り、展示商品の多種化、駐車場の整備等に取り組み、辿り着いたのがお店のホームページ作成でした。
ホームページを設けると、お客様の来店が増え、売り上げも飛躍的に伸びました。これまで、商圏とは思ってもいない地域からもご来店頂けるようになりました。ホームページのパフォーマンスに驚きを隠せなかったです。それからというもの、お店の広告としてホームページの更新を最優先にするようになりました。
ある日、東京都からのお客様の来店がありました。お話を伺うと、廃番になってしまった商品を探しているとのことです。ホームページのある店舗を巡ってきたが、どこにも在庫がなく埼玉県の当店まで辿り着いたとのことです。色違いではありましたが、ご希望に合った商品があり、お買い上げいただきました。
お客様がお帰りになられた後、早速ホームページ上のお買い上げ頂いた商品を完売表示に更新しました。通常は、在庫限りの商品が売れた場合は、金額表記を「お買い上げありがとうございました。」としておりますが、わざわざ東京から当店を選んで頂いたこと、感謝の気持ちで「遠いところからありがとうございました。」と表記しました。
そして月日は流れ、再度そのお客様がご来店されました。「たまたま近くに来たから寄ってみた」ということでした。話題は当店のホームページのことになり、お客様は購入後もホームページを覗いてくれたらしく、「遠いところ…」の表記に気づいていたとのお話を頂きました。お客様も喜んでおられました。
私は、このお話を頂きとても胸が熱くなりました。ホームページを通して出会ったお客様、遠方のお客様は繋がりが切れてしまうことも多いのですが、再度ホームページで繋がり、また来店して頂けたこと、こんなに嬉しいことはございません。ホームページはお店対不特定多数のお客様、お店のPRが主の一方的なツールとばかり思っておりましたが、1対1の関係も築けることを体験できました。
相手のことを想う気持ちは、お互いの心と心を繋いでくれる。人間として何よりも嬉しいことです。それは、ホームページを通しても可能であることに気づきました。
スタッフコメント
エピソードでは、まず、「自転車屋さん」のビジネスモデルを説明、経営課題の解決策として「ホームページの作成」にたどり着いたことが記されています。客観的かつ的確な分析により、背景がわかりやすく伝わってきました。「なぜホームページを作るのか? 何を伝えたいのか?」と考え抜く細井さんの経営者としての姿が目に浮かびます。遠方のお客様との出会いによって、ホームページが「ただの宣伝ツール」ではなく、1対1の心の交流を育むものとなる可能性に気づいた、という点、「本当にそうだ」と強く共感し、胸が熱くなりました。(審査員:佐野 彰彦)
「細井輪店 熊谷の自転車屋」さんは、昭和31年創業の埼玉県熊谷市にある自転車屋さん。ホームページを通じて、遠方のお客様がご来店され、その後またホームページ上のやりとりがきっかけとなり、同じお客様にご来店いただいたというエピソードです。
エピソードにも、ホームページにも、お客様を想う気持ちがあふれており、だからこそこのような心あたたまるエピソードが生まれるのだと思います。不特定多数の方に一方的にメッセージを発信するのではなく、常に読み手のことを考えながらていねいに発信されている姿勢を高く評価いたしました。(審査員:西山 美紀)
※ユーザー様のホームページデザインおよび、記載されている「とりあえずHP」のサービス内容や価格は、ユーザー様が声をお寄せくださった当時のものであり、現在とは異なる場合がございます。