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2018年度 受賞作品

「とりあえずHPエピソード大賞2018」
ご応募ありがとうございました。

2018年度は「新たな挑戦」を共通テーマに皆様のエピソードを募集させていただきました。
厳正なる審査の結果、賞を受賞されたエピソード作品を下記に掲載しております!

グランプリ[大賞]

有限会社ONE.OFF.PRO 高木 浩行 様

作品タイトル:愛犬が生涯を通じ教えてくれた物

私の仕事は障害をもった動物の介護、介助用品を製作する会社です。
主に車椅子や立てなくなった動物の体を支える立位保持器具の設計、製作、販売をしております。
事の発端は今は亡き愛犬が12年前に椎間板ヘルニアを発症し立てなくなった事から始まります。
私はその頃、細かい精密機械部品の製造に携わっており、立てなくなった愛犬を可哀想で不憫に思いっていた所、あるお客様が私に「手先器用だし簡単につくれるのでは?」と言われたのが始まりでした。

そこで車椅子の設計、製造し一台目の車椅子が完成しました。
愛犬を乗せましたがその場から動こうとはしません。
予想はしていましたが残念でした。
時に人間の編み出した理論が動物には通じない事を感じた瞬間でもありました。
そこから愛犬と私の車椅子製作の戦いが始まったのです。

まずは焦らず一つずつ改良開始!
フレームは材料を軽い物にし、胴体を固定する素材を布やデニムなどを使い地肌の擦れなどを防ぐハーネス製作、悪路にも負けないタイヤ、サスペンションなど幾度と無く、愛犬と共に製作を繰り返してしてきました。
試作の車椅子も67台目。
私は今まで培った技術を全て出し切り流石に疲れ、これで愛犬が乗らなければ市販で販売されている車椅子を購入しようと決めておりました。
私は出来立ての車椅子に愛犬を乗せ、固定器具を装着し、後ろ足の高さ調整をし、愛犬を歩道に置き、愛犬の名を呼びました。

愛犬は遠巻きに私を見つめるだけ。
私は今回も失敗かと思い、路上で悔しく絶望感でいっぱいになり、愛犬に「ごめんなぁ~」って叫びました。
自分の愛犬と共に考え尽された車椅子は散々な結果、しかも散歩させてやる事も出来ない!
自分の技術力の無さを責めました。
しばらくすると、路上で涙している私の耳元から、車輪の回る音が聞こえ、私は顔を上げると、こちらに向かって一心不乱に走る愛犬がいる!
彼は前足だけで力強く地面を蹴り、私の両手に飛び込んできました。

(パパ、僕やったよ!走れたよ)

と言う感じで耳をペッタンコにし、頑張りをアピールしてました。
私は何度もナデナデをしてあげ、「やった~!ありがとう~!」と車椅子と愛犬を天高く持ち上げました。
体中の震えと生まれて初めての経験した事がない感動を今でもハッキリと覚えております。
その感動を踏まえ、色々な車椅子のアイデアをかたちにして製作しております。

私の会社には、色々な障害を持ちお困りになって、ご相談に訪れるお客様が殆どです。
車椅子や立位保持器具に関しましては、その動物に合わせ、お客様と対話をしながら製作します。
また納品後しばらくご使用していただき、不具合が起こった時などは、直ぐ回収し改善改良作業も心がけております。
ご購入していただいたお客様と動物は、一生のお付き合いと考えていますので、連絡を絶やす事はございません。
今では不慮の事故などで、止む無く義足を使用しなければならない動物達の為に、自己流ではありますが研究をめ、設計、製造、販売も始めました。
今は亡き私の愛犬は、沢山の障害をもった動物達に勇気や希望を与えております。
そして私は、一生この仕事に携わり、困っている飼い主様、動物達と共に、障害や老いに対応出来る商品展開を挑戦し続け、また諦めず思いは必ず形に出来ると感じております。

(本日は今は亡き愛犬の誕生日12/19。この文章を彼に捧げます。)

審査員コメント

高木さんの今の仕事は、何かに導かれてここに至った、という印象を受けました。愛犬が導いてくれたのかもしれないですね。その愛犬のための車椅子の試作が67台。気の遠くなるような回数です。けれど、高木さんにとって、この道には、成功も失敗もなくて、ただ愛犬が喜ぶためなら何度であろうとやり直す、というだけのことだったのでしょう。私は思うのですが、本気の人は、「思い」の前に、いつも「商品」のことを語ります。愛情を顧客とつなぐのは商品ですから、それは当然のことかもしれません。そんな高木さんの本気さに、心を打たれました。我が家にも2匹の猫がいて、それはもう家族なのです。高木さんの仕事は、多くの動物たちの、生涯のそれぞれの時期をトータルでサポートするものへと、発展していくのだろうと思います。

審査員:波多野 卓司

高木さんの愛犬が椎間板ヘルニアを発症して立てなくなった、という状況になったところから、「動物用の車椅子」の制作がスタート。ご自身の体験から独自の製品ができ上がるとは、事業の理想的な始まりではないでしょうか。ニッチな市場ではありますが、切望している飼い主の方はたくさんおられることでしょう。ぜひ、「動物用車椅子」でナンバーワンを目指していただきたいと思います。また、エッセイとして非常に物語性があり、起承転結がしっかりしており、クオリティが高かったことも評価のポイントとなりました。

審査員:守山 菜穂子

受賞者コメント

拝啓、本日は、このような晴れがましい賞をいただきましたことを、深く感謝申し上げます。正直なところ、弊社の様な未熟な者が、このような栄えある表彰を受けるなど、まったく意外なことでした。
昨年は北海道東部胆振地震で被災し工場内部が一部崩壊し営業再開するまでに一ヶ月程かかり、お客様に大変、御迷惑をおかけいたしましたが、逆にご心配いただき、沢山の応援メッセージを頂きとても感謝しております、その意味で今回の授与は弊社に協力していただいた、ペット達、そして飼い主様、企業、皆様のご助力があったればこそであります。今後とも、皆様から温かいご指導、ご鞭撻をいただけますようよろしくお願いいたします。
以上、はなはだ簡単ではありますが、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。
敬具

有限会社ONE.OFF.PRO. 高木 浩行 様

準グランプリ

毛豆菜園 緑八(みどりや)  鈴木 正美 様

作品タイトル:小さな菜園の大きな夢

今年は自然災害が多く、農業に携わっている方々には大変な一年だったと思います。
そんな中、毛豆菜園緑八(みどりや)も、どうにか二年目の年を終えることができました。

去年、「とりあえずHP」を活用し、青森県津軽地方で栽培されている毛豆を販売しようと思い、ホームページを作成しましたが、毛豆の販売には間に合わず、不本意な結果に終わったのを思い出します。
野菜販売を始めた当初は、弘前市内にある伯母の敷地前を借り、そこに毛豆と野菜を並べて販売していました。
私のこだわりはその日に収穫した採れたての新鮮な野菜を販売すること。
ですが私はサラリーマン農家。
いや、農家とは程遠く、会社が休みの日や出勤前に小さな菜園を営んでいる生産者です。
なので、弘前市内での対面販売は会社が休みの日に限られるのです。

毎日収穫できる野菜をどこに売るかいろいろ考えました。
農協直売所は制限があり、持ち込み引き取りが必須。
これは本業がおろそかになるため却下。
市場に出荷するレベルでもなく、この時は毎日販路を考え悩んでいました。
もっとたくさんのお客さんに毛豆と野菜を売りたいなと。
そこで、この課題をどのように解決するか、毛豆をネットで販売するためにどうするべきか。

お客さんを増やすこと「販路開拓」が私の新たな挑戦でした。
まずは、毛豆をネットから注文頂くためにホームページの見直しを行い、ホームページを耕していきました。
ホームページから毛豆の予約注文を頂くことは、私の原点であり、最も重要な課題です。
しかし、毛豆の美味しさを写真や文章で表現するのに素人の私は四苦八苦。
それでも諦めずに少しずつ更新し、ホームページに種を蒔き続けていきました。

あとは採れたての野菜をどうするか。
ある日、私と妻は休日を利用し、青森市内へドライブに出かけました。
住宅街の路地裏を走行中、偶然目にしたのが「生産者募集」の小さな張り紙。
半信半疑で店内に入りお話を伺うと、希望通りの条件で、お店の従業員が家に野菜を取りに来てくれるという好条件でした。
早速、野菜を売って頂き、好調な売れ行きに満足。
偶然目にした張り紙により、野菜の販路の問題は解決しました。
今思うと単なる偶然ではないように思えてなりません。
無意識に周りを見ていたのでしょうね。

休日は弘前市内で野菜の販売をし、会社へ行く前は青森市内で販売するための野菜の準備。

そんな忙しくても充実した日々を過ごしていると、何やらメールが届いていました。

「えっ、もしかして」

そう、予約注文のメールが届いたのです。
すごく感動したのを今でも鮮明に覚えています。
蒔いた種から芽が出た瞬間でした。
その後もまた一人また一人と予約注文が。

来年は三年目の毛豆菜園緑八(みどりや)です。
まだまだ知名度が低いと思われる毛豆ですが、全国の人に毛豆を知ってほしい。
最高の毛豆を食べてほしい。
そんな思いで来年もまた毛豆を栽培します。
田舎の小さな菜園が、全国に美味しい毛豆を届ける。
そのぐらい大きな夢を抱いてもいいじゃないでしょうか。

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審査員コメント

「そう、予約注文のメールが届いたのです」という一文から、初めてのホームページを持つことの喜びがグッと伝わってきました。「毛豆」と呼ばれる青森県のブランド枝豆を生産・販売している鈴木さん。昨年度はホームページからの注文がゼロだったとのこと。この1年で工夫を重ね、進化していることを評価いたしました。事業の成長とホームページの成長、そして「毛豆」も成長していくという「複数の成長曲線」が美しい言葉で描かれています。「起業家」というと、妙に劇的な生き方をしているイメージが先行しがちですが、鈴木さんは、自分の目が届く範囲で、手堅いビジネスをされています。これから起業する方や、副業を始める方に勇気を与えるような、上質な創業物語だと感じました。

審査員:守山 菜穂子

ご自身が手塩にかけて育てた「毛豆」。その販路開拓に挑戦する日々は、たくさんのご苦労がある一方、とても充実していることがうかがえます。
ご苦労の末、ホームページから最初の予約注文メールが入った時の「えっ、もしかして」のセリフに臨場感があって、感動が直接伝わってくる素晴らしいエピソードです。
ホームページの見直しを“ホームページを耕す”、予約注文メールが届いた時のことを”撒いた種から芽が出る”など、豆の生産になぞらえて表現されている点も秀逸でした。また鈴木さんは、ほかにもお仕事を持っておられる「パラレルワーカー」。これからの「新しい働き方」に「とりあえずHP」がどう貢献できるかも考えていきたいと思いました。

審査員:永井 史威

受賞者コメント

この度は「準グランプリ」ありがとうございます。私はもちろん家族で喜んでおります。
青森県産毛豆をたくさんの方に知ってほしい、たくさんの方に食べてほしいと思いホームページを立ち上げました。
当初から5年後を考えながら当菜園を始め、今年は3年目になります。
ホームページに種をまき、2年目で少しではありますが芽が出ました。その芽が実をつけ新たな種を落とし、緑が広がっていくことをこれからも見守ってほしいと思います。ありがとうございました。

毛豆菜園 緑八(みどりや)  鈴木 正美 様

思春期ブルー相談室 海野 しぶき 様

作品タイトル:同じ境遇の人に、私の経験を
伝えるために始めたホームページ

おそらく、健康的で生き生きと社会生活を送っている方が読んだらびっくりしてしまうような、異質の世界の話かもしれませんが、今回、勇気を出して応募してみることにいたしました。
テーマである「私の想いよ届け」は、まさに私がこのホームページを作ってみようと思った気持ちと同じだったからです。

私は現在「思春期ブルー相談室」の海野しぶきとして、不登校やひきこもりの子どもを持つ親ごさんを対象にカウンセリングや親の会を行なっていますが、元々は自分が不登校の娘のことで悩んでいたごく普通の主婦です。

娘は、中学生の時に発達障害と診断され、その一年後から不登校、ひきこもりとなりました
私自身、娘の診断、不登校がきっかけで、これまでの人生がひっくり返るような経験をし、本を読んだり、ネットで調べたり、行政の支援機関に相談したり、ありとあらゆる手を尽くして、何とか「普通」の生活に戻れないものかと模索していました。
ところが、娘のことを理解していくうちに、私の目指している方向は娘にとっては苦しいばかりだということがわかり始め、娘を変えようとするのではなく、私が娘を受け入れられるように変わっていくしかないことに気づいたのです。
すると、パッと道がひらけたように導かれ、家族支援カウンセラーという資格を取得するに至り、その協会理事長から、私の経験をブログにしてみたら、と勧められました。

元々書くことは好きでしたし、私の経験が同じように子どもの不登校で悩むお母さんたちの役に立つのなら、と娘が16歳の誕生日から書き始めてみました。
しかし、娘との関係はだいぶ改善したといってもひきこもり状態は続いていますし、私には介護中の義理の両親もいましたので、ブログにするのが精一杯の日々が1年ほど続いたのです。
それが、ちょうど娘が17歳の誕生日こと。
不登校になって以来会えていなかった私の両親と義父を交えてのお祝いの席で、あろうことか私は失神転倒、流血して救急車で搬送、顔面を縫うという大失態。
それは長年抱えていた持病の治療による反動でしたが、その後5週間も寝込んでしまったのです。

寝込んでいる間に、いろんなことを考えました。
一年間ブログを書いたことで、私の中では子どもの不登校を乗り越える方法がまとめられるような気がしていたのです。
親のことも、娘のこともありますが、それはいつ終わるのかもわかりませんし、並行して、できる範囲でいいんだから、元気になったらすぐ始めないと後悔する、と思いました。

そして、動けるようになってすぐ個人事業主の登録をし、ホームページ作りに取りかかりました。
実は私、本当にアナログなタチで、PCはほとんどお手上げ状態なのです。
ブログはほとんどがスマホでの作業ですから、「とりあえずHP」さんはブログの感覚で文字を入力するだけということで、これなら私でも何とかなりそうでした。
それでも写真を選んだりするのにPCを使わなければならず、できあがるまでには肩こり腰痛頭痛で苦労しましたけど、それも過ぎてみればいい思い出です。
デザインも簡単に変えられますし、後から修正もできますし、何よりできあがった時の充実感がすごかったです。

不登校やひきこもりについては、必要としている人の絶対数が少ないので仕方がないとは思いますが、親が知りたい情報、欲しい情報を探すのは非常に難しいのが現実です。
大きな声では言えないのですが、人の弱みに付け込んだ商売も多く、私も実際良心的なところを探すのに苦労しました。
だからこそ、私には“本当に必要な人に届いてほしい”という気持ちが強くあり、誰でも読めるようにホームページ上で「受容までの道のり」として私が子どもの不登校を乗り越えた方法を公開しています。

ただ、全くの無名な主婦が書いても信用されないと思ったので、取得した資格を活かして、カウンセラーとして活動することにしたのです。
そうすることで、地元密着の活動としてやりたいと思っていた親の会も開催できるようになりました。

「とりあえずHP」では、こうした私の活動のお知らせを中心に更新しています。
ブログとの連携も自動で更新されますので、有難いことにホームページを毎日のようにチェックしてくれる読者の方もいるようです。
カウンセラーとしてはまだまだ実績もありませんし、業界的に(この表現がふさわしいかわかりませんが…)個人の仕事として成り立つのは難しいようです。
それでも、時おりカウンセリングをお申し込みくださる方や、ブログからのコメントをくださる方から、「受容までの道のり」を実践して子どもとの関係が改善したり、また学校に行くようになった、という声をいただけるようになりました。

私としても、これは仕事うんぬんではない、自分の役割はまだ知らない人に伝えることだと思い、今私にできることを地道にやっています。

ちなみに、この1年の間に私の環境も大きく変わり、義母に続いて義父も見送り、約10年続いた介護生活は終了しました。
娘は現在19歳。昨年夏には5年ぶりに勉強を始め、秋の高卒認定試験に一発合格。この春から通信制大学で心理学を学ぶそうです。

時間的な余裕もできましたので、今後は「思春期ブルー相談室」の活動にももう少しエネルギーが注げるようになりそうです。 その時はまたホームページも自分でリニューアルし、活用していきたいと思っています。

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審査員コメント

不登校・引きこもりの子どもを持つ保護者向けに、カウンセリングや情報提供をされている海野さん。まず、「思春期ブルー相談室」という屋号が素晴らしい。情感があり、オリジナリティがあり、実際に取り組んでいることとも合っています。エピソード中には、「パソコンはお手上げ」と書かれていますが、実際には非常に熱心に勉強されており、私たちプロから見ても改善や工夫の跡がたくさん見られました。またホームページの中には、海野さんの思いを表す言葉が溢れています。学びながら成長するその姿は、まさに「スモールビジネスのお手本」と感じました。ご自分の子育ては落ち着いたとのこと、これからもっと表に出て、たくさんの悩める保護者の方のために、「思春期ブルー相談室」を長く続けていただきたいです。

審査員:守山 菜穂子

とても深刻で、暗く固くなりそうな不登校の話ですが、海野さんの言葉には、からりとした青空のような明るさがあります。「娘のことを理解していくうちに、私の目指している方向は娘にとっては苦しいばかりだということがわかり始め…」とありますが、同じように苦しむお父さん・お母さんにとって頼みの綱となるのは、このような等身大の言葉ではないでしょうか。そしてHPを通じて、より多くの人に、その言葉が発信され、つながっていく。保護者のみなさんにとっては、誰にも言えない/理解してもらえない、そんな辛さや悔しさも、このコミュニティでなら、吐き出せる/わかってもらえる。思春期ブルー相談室は、そのような場となっているのでしょう。

審査員:波多野 卓司

受賞者コメント

この度はこのような栄えある賞を頂きまして誠にありがとうございます。正直、このような不登校・ひきこもり分野のホームページで、あの失敗談ばかりのエピソードですから、まさか受賞できるとは思ってもいませんでした。本当に信じられない思いです。
実は、ホームページを作成しての活動について、娘にはまだ話しておりません。彼女がもう少し大人になったら、この受賞のことも合わせて伝えたいと思います。理解が得られるかヒヤヒヤものですが、それまでは受賞を励みにますます頑張る所存です。この度は本当にありがとうございました。

思春期ブルー相談室 海野 しぶき 様

訪問はりきゅう・マッサージ 和・彩・日 千葉 沙紀 様

作品タイトル:私にとってのホームページ

2018年、振り返ってみると本当に挑戦の年でした。
こどもを保育園に預け、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の資格・勉強してきたことを活かし、開業する!という決意を固め、2018年に始動したのはよいものの、開業とは言っても訪問専門、地元もいま住んでいる仙台ではなく地力もない、資金もそんなにないなかで、まず何から始めようかというところで、HPを作成することが頭に浮かびました。

ただ、調べていくと、HPを作ってもらうのにはかなりのお金がかかる・情報を更新するのにも手間や費用がかかる、自分でいちから作るのには、プログラミングなどの知識や技術が必要で、そこからやるの~?・・・という状態で、眉間に皺を寄せながら、自分に見合ったものは何かないかなと調べていました。

すると、とりあえずHPさんが地方新聞で取り上げられたという記事をネットでみかけ、どんなもんかと思い検索してみると、費用もリーズナブル、プログラミングなどの知識も必要なし、更新もその都度自分でできるなんて三拍子揃っていて、これだー!と思い、申し込み、サクッと私にもHPが作れちゃいました!ひとまず、「こういうことをやっています」と社会に発信できたことにホッとしました。
ただなかなか依頼が増えず、仙台の起業家支援サロンに通い、チェックを受けることにしました。

自分からの見方だけで作ったデメリットが出ていたようで、客観的な見方ができていなくて、表現の仕方がわかりづらかったり、イメージ画像の活用が少なくてパッとみてわかる情報の見せ方をしていないなど、ありがたいことにダメ出しをたくさんもらい、試行錯誤の日々を過ごし、やっといまの形に落ち着きました。
私の事業の場合、HPをパンフレット代わりに使うというイメージで活用することに決めてから、HPに足を運んでもらうためにはという次の段階に移ることができました。

一歩ずつですが進んでいる実感があります。
少しでも多くの方に自分の治療・やっていることを知ってもらい、実際に治療を受けてみて欲しい、頼ってくださった患者さんを楽にしたい!その気持ちが伝わるように、今後もHPの見え方を研究したり、SNSでの情報発信などでリンクを増やしたり、知ってもらう努力を続けることで、これからもHPと一緒に成長していけたらと思います。

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審査員コメント

小さなお子さんを育てながら、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の資格をとり、2018年に一念発起して開業。ホームページもコツコツ改善。う〜ん、これだけでも千葉さんがどれだけのがんばり屋かということがわかります。これらのエピソードからは、「思い」を持ったら、「まず動いてみる」という、「思い」と「行動」がバランスよく並走して進んでいるという姿が垣間見えます。これは言い換えれば「地に足がついた、身の丈にあった起業をしている」ということであり、成功する人の大きな共通項です。ただ、起業期は誰もが不安定で、誰もが孤独です。頑張り屋の千葉さんですが、この時期には、相談すること/頼ること/お世話されることも、とても大切ですよ。

審査員:波多野 卓司

子育てをしながらの開業という大きなチャレンジのエピソードです。ホームページは立ち上げて終わりではなく育てることが重要ですが、「和・彩・日」さんはホームページを作ってから、起業家支援サロンでチェックを受けるなど試行錯誤と改善を続けられているという点に好感を持ちました。テンプレートの選び方や文章の書き方も上手で、人柄が現れるような素敵なホームページが印象に残りました。

審査員:永井 史威

受賞者コメント

とりあえずHPエピソード大賞2018、準グランプリに選んでいただきありがとうございます!記念応募のつもりでしたので、まさか拙著のエピソードが選ばれるとは!という感じでびっくりするとともに、ありがたい気持ちでいっぱいです。誰かに自分のがんばりを認めてもらえることって嬉しいなぁとしみじみ感じました!
この受賞を糧に、2019年の一年も走り抜けていきたいと思います!縁起のよいスタートダッシュをいただきありがとうございました!
今年度もお世話になります!!

訪問はりきゅう・マッサージ 和・彩・日 千葉 沙紀 様

佳作

小代焼 中平窯 西川 智成 様

作品タイトル:小代焼 中平窯(しょうだいやき なかでらがま)
新たな取り組み

私は熊本県で「小代焼」という伝統的な陶器を父とともに制作していて、 いわゆる“窯元”という仕事をしています。

しかし地元の方も含め、窯元には「なんとなく敷居が高く、お店に入りにくい。」というイメージを持たれていると感じていました。私が家業を勉強し始めた時は新しいお客様が少なく「とにかく広く情報を発信しよう!新しいお客様を増やさなければ…。」と強い焦りを感じていました。

当時の私はパソコンについての知識が全くなく、ゼロからホームページを立ち上げることには抵抗がありました。そんな中「とりあえずHP」の存在を知り、無料お試しをきっかけに2016年から自社のホームページ作りをはじめました。なにもかも初めてのことで最初こそ戸惑いましたが、空き時間に写真や文章を更新していきました。また、販売とは直接関係ありませんが、世の中に小代焼についての情報を正しく伝えたいという思いから小代焼の歴史や特徴についての内容も充実させていきました。

ホームページを更新しながら、店にのぼり旗を立てる、インスタグラムで日々の様子を発信する、自社のパンフレットを作る、プレスリリースを行う等など、それまでは取り組んでいなかった広報活動にも力を入れていきました。

自社のホームページを立ち上げてから2年近くが経ったころ、新規のお客様の数が明らかに増えていきました。お客様に来店のきっかけを尋ねると、新しい取り組みの効果があり、ホームページがその要であることが分かりました。
例えば「偶然パンフレットを手に取り、気になったのでホームページで詳しい情報や地図を確認してから来店した。」という具合です。特に県外からのお客様の場合、きっかけは様々ですが最終的にホームページを確認してから来店されるお客様の割合が非常に高いと感じています。

昨年の秋に展示会を行ったところ、ご来店いただいた内の3分の1が新規のお客様という今までにない展示会となりました。そして、それまでは県外からのお客様にばかり目が行っていましたが、意外にも地元のお客様が増えていたことに気づきます。あるお客様に「もっと早くに来れば良かった。近くに住んでいるので、また来ます!」と笑顔で言っていただきました。
当初は「とにかく広く発信しよう!」という思いから始めたホームページでしたが、それが地元のお客様に届き、 “窯元”に初めて来店されるお客様の不安を取り除いてくれたのだと納得しました。
また、工房見学や歴史の話を聞きに来るお客様も増え、世の中に小代焼についての情報を伝えたいという思いも少しずつ叶ってきました。

今後は、より積極的に地元・熊本県の方々に情報を伝える取り組みを考えています。窯元としての仕事も、ホームページも今の状態がベストであるとは思っていません。しかし、これまでの取り組みのように諦めずに更新し続けていくつもりです。

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審査員コメント

熊本県の伝統的な陶器「小代焼」を制作している「小代焼 中平窯」さん。エピソードでは、敷居が高いという窯元のイメージを払拭すべく、ホームページやSNSを使った情報発信の日々やお店や展示会でのお客さんの反応の変化などが丁寧な文章で綴られています。ホームページのデザインはシンプルで美しく、小代焼の魅力が伝わる写真と文章が豊富で、審査員一同興味深く拝見させていただきました。

箱の浦自治会 斉藤 和夫 様

作品タイトル:わたしの自治会ホームページ

どなたが見てくれているのでしょうか、わが団地のHP。
これが一番気になります。月々に増えていくアクセス数が悩ましいのです。

きっかけは自治会の情報提供サービスとしてHPから情報発信できればより多くの活動が伝えられ活性化が図られるのではないかということでした。
海と山に囲まれ、豊かな団地に生活する人々にトピックスを伝えることは自治会発足の50周年記念として意義のあることではないかとホームページ開設を役員会で議決したのでした。

しかし普通の行事紹介や連絡事項の内容では見てくれません。続かないと意味がありません。
そこで次のような方針を立てました。

・説明文章は少なく、主に写真を通じてとらえ方、感じ方を読者に任せること。
・トップ記事と表紙写真でアピールし奥深く進ませるような仕掛け。
・記事更新に手間がかからないこと。

これにぴったりとあてはまるのが“とりあえずHP”でした。
トピックスのネーミングと写真さえあれば記事更新は簡単です。

更に、特集記事でアピールすることも考えました。
それが特集“団地の隠れた名人”なのです。

意外に面白い特別な趣味を持ち続けている人は多いものです。会合や口コミでこの人たちを探し出し、写真を撮ることで取材しました。 団地のはずれの畑でミツバチを飼っている養蜂家、木工細工で能面を数多く彫っている能面師匠、着物リメイクのお店、そのほか模型を65歳を過ぎてから始めた方、写真家など。
ご近所さんでも趣味の内容までは案外知らないものです。
またHPのPR効果として、意外な方面からのアクセスがありました。
一つは自治会の台風対策で避難所を開設しているのを知って防災関係のNPOから取材の申し込みがあったり、また市民病院の地域連携室から健康講座を開きたいとの申し出があり、HPの威力に驚きました。

800世帯、2000人が暮らすこの団地の魅力をアピールしてご近所さんの距離を少しでも詰められるようにとの目論見はHPのアクセス数に表れています。
当初の月間アクセスが300件程度であったものが最近では1000件を超えてきました。
こうなってくると更新にプレッシャーが掛かりますが、なんとかあちこちの引き出しを開けて新たなネタ探しを始めねばなりません。

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審査員コメント

「箱の浦団地」は、大阪府の阪南市にある800世帯、2000人が暮らすマンモス団地。エピソードの主軸は自治会発足50周年を記念して作られたホームページです。「団地の隠れた名人」という住人の趣味を紹介する特集コンテンツを作りだしたくだりやPRの結果が出てくる様子が秀逸でした。また、ホームページをきっかけに団地自体が活性化している点が地域ブランディングの観点からも高評価でした。

いやし堂 諏訪本店 小平 周作 様

作品タイトル:模索から躍進、そして挑戦へ。

2019年1月1日「いやし堂」は開業から丸3年を迎え4年目に入りました。

長年勤務した会社を退職し、独立開業した1年目はまさに手探りの状態。
初めての個人事業主として不安と共に過ごしました「模索の年」でした。
その不安がやがて少しずつ「手ごたえ」に変わり始めた頃、いつまでも付きまとう「心の中の不安」を完全払拭する為、これまで自分が信じてきた事を一気に開花させ2店舗目の出店に踏み切った2年目は「躍進の年」となりました。
当初の計画では短期間で複数の店舗展開をした為、しばらくは経営安定を図るべく、チカラを蓄える期間を設ける予定でおりました。

しかし2店舗目も軌道に乗り始めた頃から、私の中で何か「物足りなさ」がある事に気付いたのです。
1年目に感じていた「心の中の不安」と少し似ているのですがこれは全くの別物。
…明らかな「物足りなさ」でした。
周囲から見れば短期間で複数店舗を展開し、万事上手くいっている様に思われておりましたが、それとは裏腹に私の中で「自問自答する日々」が続きました…。

…それは、ちょっとした事がきっかけでした。
私の耳に聞こえてきたお客様とスタッフとの何気ない会話です。

お客様:「私は○○さんじゃなきゃダメなのよ。」
スタッフ:「そう言ってもらえるとホントに嬉しいです。」

…私の中で「ひとつの答え」が出た瞬間でした。

店舗にお客様を呼び込むために地元地域情報誌での宣伝をはじめ、新聞等への広告掲載。
ホームページ・無料情報サイト等のインターネット広告など。
考えれば競合各店が行っている事を当店も「同じ様に」行い、ただ満足しておりました。

では「他に何を」すればいいのか…。
その答えこそ私の心の中にあった「物足りなさ」だったのです。
しかし今の状況では日々の営業で精一杯、他に何かする余裕もなくスタッフも足りません。

…でも私はあきらめませんでした。

「いやし堂」開業から3年目の「夏」7月17日。
系列店3店舗目となります「いやし堂 諏訪城南店」グランドオープン。
私の心の中の「物足りなさ」を埋める舞台が整いました。
あの日、お客様とスタッフとの会話の中からヒントを得て自分なりの答えを出しました。

それをついに「現実の形」として行う時がきたのです。

その「答え」とは…。

スタッフはスタッフである前に1人の「人間」です。
1人、1人が「生れた場所」「育った環境」「年齢」「性別」「性格」「好み」をはじめ、「学んできた技術」「得意分野」「手技」などさまざま。
そのスタッフだけにしか受けられないサービス。
「スタッフの個性・特技」を「全面に出したサービス」の提供ができないだろうか…
それこそ他店には真似できない「当店独自のサービス」であり、
感じていた「物足りなさ」を埋める「答え」だったのです。

2018年8月26日…スタッフごとの「オリジナルコース」サービス開始。

まずはスタッフ自身に「コース名」「時間」「料金」まで全て自由に決めさせました。
最低でも半年間はスタッフ自身が決めたサービス内容で営業を行います。
ただ全てをスタッフ任せにするのではなく、私自身は何をするのかと申しますと…。

半年後に「より良いサービスの提供」ができる様に、各スタッフが担当するお客様を1人、1人分析する事が私の役目であると考えております。
そして、そのスタッフの「個性を十分に活かしたサービス」の提供の為に、「最高のアドバイス」ができる様に現在準備しております。

ここまでは順調の様に見えますが、決して問題がなかったわけではありません。
3店舗目をオープンしましたがスタッフが足りません。
スタッフ数よりも施術するベッド数が多くなってしまいました。
セラピストの募集をしても全く効果、反応がありません。

…しかし、その「答え」もすぐに見つかりました。
「スクール」を開校して、希望者に技術を教えればいいじゃないか…。

2018年9月…「いやし堂リラクゼーションスクール」開始。
すぐに3名の未経験者の方から応募申し込みがありました。
技術習得後は全員、当店のセラピストとして勤務する予定となっております。

地方の田舎とはいえ、同じ業種・競合店の多い「リラクゼーション店舗」として今後も生き残っていくためには、やはり競合各店と同じ事をしていてはダメだと感じました。
スタッフには常々申しております。
「他店にお客様が足を運んでいるという事は、まだまだ我々のサービスが足りないのだよ。」
開業から3年目…間違いなく、様々な「壁」を感じました。
しかし、スタッフの協力もあり次々と問題解決に繋がる企画を考えて実行し続け、振り返ればこの3年目はまさに「新たな挑戦の年」でした。

全国チェーン店、激安チェーン店の進出が我々の地方にも進んでおりますが、目指す「目標」はもちろん「地元・地域でナンバー1」のお店づくりです。
今後も「いやし堂」は現状に満足する事なく「常に変化し続けたい」と思います。

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審査員コメント

「いやし堂 諏訪本店」さんは、昨年の「とりあえずHP エピソード大賞2017」に引き続いての受賞となります。整体・マッサージ業という他との差別化が難しい業種の中で、さまざまなチャレンジを行う姿勢に好感を持ちました。スタッフの個性や特技を活かした新サービスはビジネスモデルとしての独自性があり、また、スタッフ一人一人が自分の良さや魅力がなんなのかを考えながらメニューを作る過程は、パーソナルブランディングという観点でも見ても素晴らしいのひと言です。

まとい工房 南天 渡部 顕 様

作品タイトル:妻と二人三脚で為し得た
工房開設奮闘記

私は4年前、精神的な病で永年奉職した消防官を退きました。
退職後しばらくは自宅療養を続けていましたが、家族の温かな理解もあって、徐々にではありましたが回復傾向にありました。
そんな時、妻が発したのは「おとうさん、大分良くなってきたね。趣味のミニチュア纏作りを商売にすれば?」でした。

私は物作りが好きで、現職当時もミニチュア纏を製作して市民にプレゼントしていた経緯があり、それなりの製作ノウハウはありましたが、商売にするとなると簡単ではありません。
そこで思いついたのが、江戸時代から続く浅草の老舗小玩具店「仲見世助六」からの評価でした。

東京旅行の際は必ず立ち寄ってコツコツと小玩具を買い集めており、助六ファンの私にとって自らの作品が店頭に並ぶことは夢のまた夢でした。
その後アポを取っていざ助六へ。
チャキチャキの江戸っ子五代目店主から「いい作品だ。でもねぇ、商人は売れる作品が欲しいんだ。僕の言うとおりに作り直したら置いてもいいよ」との言葉をいただき天にも昇る気持ちでしたが、それからが地獄。
作っては送り返されを数十回繰り返し、なかなかOKがでません。
心も折れそうになり、やめようかとも思ったのですが、やっと1ヶ月後に「渡部さん、よくがんばったねぇ。合格だよ。うちに秋田の職人ができてうれしいねぇ」といって下さいました。
興奮し涙が溢れ、店主の電話越しの声もあまり聞き取れませんでした。

これがきっかけとなって本格的に工房を立ち上げ、生業としての決意が固まりました。
しかし助六以外、私は需要があるのかとても心配でしたが妻は「作品は自信もって作って。後は私が宣伝するから」と言ってくれました。

近年はSNSやネットビジネスが主流の昨今、私たち夫婦はその知識がありません。
よって妻が仕入れた情報を元に作品展示即売会等に出店してPRしました。
とある即売会では元が取れなかったり、雨風にさらされたり、時には1個も売れない日々も多々ありました。
しかし妻はそれが刺激となったのか、今度は親戚、友人知人に声をかけまくり、その友人知人が次々と紹介してくれたりなど、徐々にではありましたが知名度が浸透していきました。

そしてその甲斐あって、なんとマスメディア数社から取材を受けるまでになったのです。
更に時を同じくして、ホームページも開設したところ、全国から注文を受けるようになり、手軽に更新ができるホームページ製作は纏製作と共にとても楽しくできました。

結婚して32年。 人様には言えないような数々の荒波を越えてきた私たち夫婦ですが、妻はその後、起業して多くの顧客を抱え、そのお客様が私のお得意様にもなっています。

最後になりますが今年のお正月、地元神社の御守りコーナーに「纏御守」がデビューしました。
宮司さんから作品を認められ、神社限定の纏御守りの製作を依頼されたのです。
地元の鎮守に縁起物の私の作品が並び、助六以来の感慨深いものでした。

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審査員コメント

昨年の「とりあえずHP エピソード大賞2017」で大賞を受賞された「まとい工房 南天」さん。江戸時代の火消しの道具のひとつである「纏(まとい)」のミニチュア作品を制作されています。本格的な工房立ち上げの起点となった浅草の老舗小玩具店との商品改良のエピソードは、店主さんの江戸っ子らしいぶっきらぼうな言い回しも相まって感動的でした。奥様との二人三脚で開設された工房。これからも末長く続けてほしいと願っています。

ひさと 佐々木 博 様

作品タイトル:脱、隠れ家!

開業して14年、オープン当初は立地の悪さもあり、常連さんの集う、まるで会員制みたいなお店でした。
それはそれでありかな?とも思いながら、なんとか店の経営も成り立っていたので、深くは考えませんでした。
10年を過ぎた頃、初めて売上が前年度割れになり、常連さんも来店数が減り、店の経営に初めて危機感を覚えました。
それまで、新規顧客の獲得に力を入れなかったことに後悔。
でも、人間崖っぷちに立つと思いもよらぬ力を発揮してくれるものです。

まずはワードでチラシを作り(今となっては見てもらえるようなチラシではない)自宅のプリンターでせっせと印刷し、とにかく毎日ポスティング。
その後、イラストレーターを学び、ネット印刷を利用するようになり、少しはクオリティが上がるも、所詮ど素人。
それでも繰り返しの作業で、少しずつご新規さんが増えていくことに喜びを覚え、そこで大事なことに気づかされました。
やっぱり紙媒体は強く、ご年配の富裕層が多く住んでいる当店の地域では欠かせないものであり、ご近所さんからは、「こんなところにこんなお店があるなんて全然知らなかった」「いつからお店あるの?」など、今でもよく言われます。

私は、料理人歴30数年、仕事にはプライドを高く持っています。
でも、いくら良いものを作り上げても、知ってもらわないと意味がない。
お客様、いや、人との出会いがないと。
紙媒体の宣伝広告は、今でも続けております。

次に考えたのはネット。
もっと多くの人に出会いたい、この料理を食べてもらいたい、そういう思いから、ホームページを持ちたいと思うようになりました。
何社かに見積もりを取りましたが、うちみたいな個人商店では負担が多く、踏み切れずにいました。
フェイスブックは以前からしておりましたが、思うような反響はなく、何気なくネット検索していると、「とりあえずHP」にめぐり合いました。

文字どおり、「とりあえずやってみるか」と始めてみました。
ブログはしていたので、ブログとおんなじ感覚で出来るのに目から鱗。
料金も安い。何より、いつでもすぐに更新できるところが一番気に入り、当然今ではフル活用させてもらっております。

やっぱりホームページは必要でした。
「ホームページ見たんですけど」という電話が少しづつ増え、新規顧客が増え、数年前から力を入れている仕出し料理の問い合わせが増加。
イコール人との出会いが増え、フェイスブックやインスタも反響がよくなり、明らかに効果が出てます。

でも、まだまだこれから。
私の地元には、世界文化遺産の姫路城があり、観光客は年々増加。
でも、姫路城から少し離れた当店にはなんの影響もありません。
姫路名物穴子料理、私の得意分野です。
姫路城に訪れ、当店で穴子料理を食べてもらう、これを達成するために日々努力をしていきたいと思ってます。
素晴らしい、人との出会いのために。

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審査員コメント

「とりあえずやってみるか」そんな気持ちで始めたホームページ制作によって、人との出会いが増え、着々と効果が現れていった様子は私たちも読んでいて嬉しい気持ちになりました。「ひさと」さんは姫路に店舗を構える日本料理店。料理人である本業の傍ら、チラシやホームページなどご自身で宣伝ツールの作成にチャレンジ。その努力やセンスにあっぱれです。ホームページで使用している写真のクオリティも高く、審査員が口を揃えて「美味しそう」と言っておりました。

大西洋ツーリスト 豊崎 善洋 様

作品タイトル:お客様と当社との絆に活用できました

当社は兵庫県内に6つの営業所がある旅行代理店です。
前までのホームページは、発信するのみの簡素なホームページで、実際のところあまり活用できていませんでした。
せっかくのツールがあるのに使いこなすことが難しく、やがてアクセス数も下がっていきました。

今、時代はオンラインで旅行が予約手配まで出来る時代になり、たくさんのサイトがインターネット上にあり、実店舗もまずお客様がパンフレットを取りインターネットで探すという流れになっていることが分かりました。
「このままでは」という思いで、ホームページを何とかしようと思い色々検索したり、無料の簡単作成を見てみたりしましたが、更新も難しく当社と関係ない広告などがあり、これでは今と状況が変わらないのではと考えました。

そして、とりあえずホームページさんに出会い、まずは体験版で試してみるかと思い作成したところ、社長より「ぜひホームページをこのまま完成させて欲しい」との声がかかりました。
これまではただ当社の情報だけしか載せていませんでしたが、せっかくならいいホームページしたいという思いで、今まで行かれた旅の写真や体験レポートや添乗員が実際に体験した写真や記事をホームページに載せることにしました。

そうすると、今まで行けなかった場所や実際の体験を見る方が多くなり、「旅行後体験記をホームページに載せてほしい」という方まで出てきました。また、旅行の感想を直接頂け、素敵な写真を見せていただけるようになりました。
そしてお客様に、常に新しい観光場所や情報など、旬な情報をオンタイムで発信できるようになりました。
また、店舗間の情報共有にもつながり、今までになかったネットワークが出来てきました。
ご旅行にご参加いただいたお客様には、添乗員の撮った写真を見ることにより、再度旅の想い出に浸っていただくこともでき、感激の声も上がってきました。また添乗員も更新が楽しくなったとの声もあがりました。
そして更新を楽しみにしているお客様が多く、アクセスカウンターもあり、とても役立ちました。

これからもお客様と当社をつなぐ絆として、ホームページを活用していきたいと考えています。

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審査員コメント

良いホームページにしたいという思いで旅の写真やレポートをホームページに載せるようになったところ、それがお客様との絆にもなっていった、兵庫の旅行代理店「大西洋ツーリスト」さん。コンテンツを充実させることによって、ホームページがコミュニケーションツールとしても効果を発揮しているとても良い例なのではないでしょうか。ホームページの「ニューヨークから有馬温泉まで」「旅の総合デパート」など、コピーが素晴らしかった点も高評価でした。

NPO法人はらから 片原 圭子 様

作品タイトル:これからも、はらから

平成30年3月1日、NPO法人はらからは知的障害者支援施設グループホームはらから(定員20名)と生活介護事業所デイサポート和音(定員20名)を開設しました。中高齢の重度の知的障害のある方を看取りまで支援していく家(グループホーム)と、その方たちが日中通っていく生活介護(デイサービス)です。

開設の2年前(28年3月)、重度の中高齢の知的障害者が親亡き後、安心して生活できるような家をつくりたいという思いだけで、来る日も来る日も中古物件を見て回りました。
28年6月NPO法人はらからを立ち上げるころには、私たちの思いが更に熱くなり、中古物件ではなく、土地を購入し私たちの手で家を建てることになりました。閑静な住宅街にある800坪近い空き地(農地)は、交通の便も良く、理想的な場所でした。何の実績も資金もなくあるのは熱い思いだけの法人でしたが、私たちの思いを応援してくれる銀行と建設会社が見つかり、地域の方にご挨拶させていただいたのは、開設1年前の3月のことです。

29年8月1日、オープンに先駆けて相談支援事業所を開設するとともに入居者募集やスタッフ募集等の本格的な準備が始まりました。その一方で9月1日地鎮祭が執り行われ、建設が進んでいきました。また、この地鎮祭のタイミングでホームページを開設し、私たち法人の思いをホームページに綴っていきました。このホームページが、利用者募集とスタッフ募集に一役買ったのでした。

30年3月1日、予定通りオープンすることは出来ましたが、ご利用者お一人お一人のことが良くわからず戸惑うことばかりでした。
言葉がなくコミュニケーションを図ることが難しい、重度のご利用者の思いを理解するのは簡単なことではありません。慣れないご利用者がパニックを起こし、対応に困ってしまうことも少なくありませんでした。
手探りの日々を重ね、少しずつご利用者とスタッフの関係が出来てきました。行事の企画も初めは企画するだけで精いっぱいでしたが、回数を重ねるごとにご利用者の笑顔のための企画になっていきました。「〇〇さんがこんなことが出来るようになった。」「〇〇さんがこんなことで笑った。」「〇〇さんが、こんなことに一生懸命になった。」、ご利用者のことを話すスタッフが生き生きとしています。

中高齢の障害者のために立ち上げたNPO法人です。ご高齢のご家族が自由に出入りできるグループホームをつくることが、法人の思いでもありました。
今、ご利用者のご家族がグループホームで一緒に食事を取ることがあります。お泊りすることもあります。
ご利用者、ご利用者を思うご家族、ご利用者を思うスタッフ、応援してくださる地域の方、皆はらから(同胞)です。これからも一緒に笑い、一緒に歳を取っていきたいと思っています。

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審査員コメント

「NPO法人はらから」さんは中高齢の知的障害者を支援しているNPO法人。法人立ち上げの思いや、日々、手探りでありながらも挑戦し続ける姿勢が私たちの胸を打ちました。ホームページのテンプレート選びも上手で、ホームページ全体を通してキレイに見やすくまとまっている点も、素晴らしかったです。

審査員長総評

とりあえずHPエピソード大賞 審査員長 佐野 彰彦
とりあえずHPエピソード大賞 審査員長 佐野 彰彦

「とりあえずHPエピソード大賞2018」へご参加いただき、誠にありがとうございました。また日頃から「とりあえずHP」を支えていただいている全てのユーザー様にも重ねてお礼を申し上げます。
「とりあえずHP」のユーザー様を対象とし、「あなたのがんばりを栄誉に変える。」というスローガンを掲げてはじめた本アワード、今年で合計4回目となりました。

「とりあえずHP」はホームページ作成のサービスですが、私たちが本当に提供したいのは、ホームページ作成を通じてユーザー様の素敵なビジネスを支援することです。そのために私たちができることはどんなことか、この一年は様々なことを考え、実行に移してまいりました。

2018年は、「とりあえずHP」専用のスマホアプリをリリースしました。本業の忙しいユーザー様の負担を軽くすべく、ホームページの更新をスマートフォンで気軽に更新できるようになりました。また、もっと魅力的なホームページに育てていけるよう、ユーザー様向けの情報サイト「とりあえずHPサポートサイト」もリニューアルし、内容を充実させています。

本アワードも、スモールビジネスを営むみなさんの応援をするための活動のひとつです。
昨年に引き続き、今回も素敵なエピソードがたくさんありました。審査員一同で、全作品を丁寧に拝読させていただきました。

受賞された方、おめでとうございます!また残念ながら選出に至らなかった作品も、すべて「その人らしさ」が表れていて、大変感動いたしました。ユーザーの皆様の活動に最大の敬意を払い、これからも「とりあえずHP」を発展させていきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

審査員の紹介と審査風景

以下4名の審査員により、審査を行わせていただきました。
お寄せいただいたエピソードはどれも素晴らしく、じっくりと拝読させていただきました。

佐野 彰彦

株式会社それからデザイン代表取締役
とりあえずHPエピソード大賞 審査委員長

波多野 卓司

中小企業診断士
仙台市起業支援センター「アシ☆スタ」ビジネス開発ディレクター

守山 菜穂子

株式会社ミント・ブランディング代表取締役
ブランドコンサルタント

永井 史威

株式会社それからデザイン執行役員
Webディレクター

ご応募ありがとうございました!